アート・アーカイヴ・シンポジウム「アーカイヴ再考—資料体とインターフェイス」
開催への助成
アート・アーカイヴ・シンポジウムはアート・アーカイヴの現場をつなぎ継続的に開催するシンポジウムである。 2010年に第1回「継承と活用:アーカイヴの「ある」ところ」、2012年に第2回「プラットフォームの形成にむけて」が開催された。JCRIは、第3回目となる「アーカイヴ再考—資料体とインターフェイス」に対して助成を行った。 美術館や博物館で展示される美術作品が制作される段階で生み出された資料——手稿、画稿、ノート、スクラップブックなど——がある。それらの貴重な資料は作家宅や美術館の奥に埋もれていることが多いかもしれない。それらの貴重な資料を文化資産としての「アーカイヴ」として保存・公開することの重要性が認識されつつある。文化庁文化政策部会による「審議経過報告」における「文化芸術の次世代への確実な継承」にある通り、文化芸術を次世代へ継承するため、芸術分野の「アーカイヴ」構築を進めようとする気運が高まっている。 過去2回のシンポジウムを通して、芸術の資料とはどんなもので、どのように保存するのかということから始まり、「アーカイヴ」を保存・公開し、情報を活用していくことの重要性を討論した上で、第3回目では、アーカイヴを構成する資料の実体と、顕在化と共有化を担うインターフェイスに注目して改めて議論が行われた。美術作品や関係資料の保存、公開を充実させ、更なる美術研究、学問の進展をはかるため、さまざまな観点から「アーカイヴ」を考え、状況報告、情報共有を行う機会を提供している。 第3回目のシンポジウム「アーカイヴ再考—資料体とインターフェイス」は2013年3月23日(土)に慶應義塾大学三田キャンパスにて開催された。登壇終了後、茶話会も開催され、パネリストとシンポジウム参加者との意見交換、議論の場が設けられた。
- パネリスト
- 矢野進氏 世田谷美術館学芸員/美術課主査
- 泉澤茂男氏 有限会社トップアート鎌倉・代表取締役
- 森洋久氏 国際日本文化研究センター 文化資料研究企画室 准教授
- 上崎千氏 慶應義塾大学アート・センター講師、兼任所員
- 司会 / セッション・コーディネーター
- 渡部葉子氏 慶應義塾大学アート・センター教授/キュレーター
- ディスカッション・コーディネーター
- 水沢勉氏 神奈川県立近代美術館館長