助成事業
-
-
2014年度
榎倉康二写真集に掲載されるエッセイの英文翻訳への助成
榎倉康二(1942-1995年)は、1970年代以降の日本の美術界を代表する作家の一人であり、その作品はインスタレーション、版画、絵画などさまざまです。1995年に作家が亡くなって以降、写真作品の多くはご家族の元に保管されてきましたが、東京パブリッシングハウスでは、写真研究家の大日方欣一氏、美術評論家の熊谷伊佐子氏と共に、2010年より自宅に残された写真の調査を行いました。『予兆 – Kōji Enokura Photo Works 1969 – 1994』には、調査で確認できた写真作品のデータの他、コンタクトプリント、初期の展示記録写真から晩年に制作された写真作品まで、榎倉の写真制作の概観を見通せる内容となっているだけでなく、調査を行った大日方氏と熊谷氏の文章、榎倉本人が過去に発表した文章を日本語と英語で収録。JCRIではこの文章の英文翻訳を助成しました。これまで榎倉関連の資料、特に写真については、英語で表記されたものが非常に少なく、英訳を併せて掲載する本書は、榎倉康二の写真を日本だけでなく海外に紹介する貴重な資料となるでしょう。